Wednesday, February 15, 2012

ジョセフ・ナジ振付・出演『カラス/Les Corbeaux』




場所◆世田谷パブリックシアター(東京・三軒茶屋)

振付・出演◆ジョセフ・ナジ
音楽・演奏◆アコシュ・セレヴェニ

 以前ナジさんがまつもと市民芸術館(私が松本に住んでいた頃通い詰めていた劇場)で『遊*ASOBU』を上演されていたことは知っていて、チラシも手にしたことがあって。だけどそのときは演劇というか、せりふのあるお芝居以外のものにはあまり興味がない年頃でした(笑)。それが「すごい作品だったらしい!」と知ったのは、東京に出てきてからでした。

 (チラシのような姿になるらしい…)という知識以外はほぼない状態でこの作品を観ました。パフォーマンスが始まってまずびっくり!だったのが、サックスの吹き方…というか、使い方…?息以外にも、声が入っているような音。「演奏」というから曲なのかと思いきや、再現が難しそうな音・音・音の波…。うーん、うまく言えません。とにかく、舞台全体として、日本人パフォーマーではなかなかお目にかかれないような表現がたくさん詰まっていました。そして音楽にはトリハダが立ちました。

 前半はナジさんがスクリーンの向こうでスプレーを使ってお絵かき。お絵かきというか、パフォーマンス。ぷしぷしと無造作に描いているのかと思いきや、少しずつ作品が生まれていく過程がなんだか面白かったです。そうそう。なにかのモチーフが、途中でドクロ(に見えたのですが)に変わった瞬間は「はっ!」となっちゃいました。スゴイ!…あ、スゴイといえば、機械もスゴイ!!自動紙巻き機!?スクリーンだけど、右から左へ勝手に紙がスクロールしていくの!あんな機械があるのかー!と、単純にびっくり。
 砂も集まれば音を奏でて存在を発揮する存在であると感じたことも、今回の発見。

 そして後半というかラストは、ナジさんが壷に入って全身真っ黒に!!!ホントにチラシと同じ姿になってしまいました。私ははじっこの席から見ていたのであまりお顔を拝見できないまま、ナジさんはインクまみれの真っ黒カラスになってしまわれました…。ほんっとにテッカテカな姿で、艶のある黒鳥!という感じ。その黒鳥が、白いカンバスというか舞台の上を全身で踊り、その跡を残していくように見えました。いやあー、すごかった!
他のナジさん作品も、観られるものなら観てみたい!そう思いました。
外国の(日本ではないだろうなという)においのする作品でした。新たな刺激を受けた60分でした☆

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