Sunday, November 2, 2014

第31回長野県高校演劇合同発表会 長野県長野東高校演劇部『銀河鉄道の夜~吉里吉里国ものがたり~』

(長野県高校演劇合同発表会パンフレットより)

@ホクト文化ホール

作:清水信一
出演:長野県長野東高校演劇部

伊那西のところでも書きましたが,2000年代の北信と言えば,長野日大か長野清泉が絶対出てました。北信=私立のイメージだったのです。中信地区で私立の演劇部といえば,当時の松本松南くらいしかなく,私立が充実している都会な地域だな…とも思ったものです…。カッチリした制服が,いかにも私立だなァって。

しかし…県大会のパンフレットをめくってみると,ある時期を境に長野東がじゃんじゃか県大会に出てきているじゃありませんか…!常連校ってやつじゃないですか…!私はすっかり時代に取り残されていました。
顧問の清水先生はいくつも創作を書かれているようなのですが,いかんせん私が県に全く足を運ばなくなってしまったので,拝見できる機会がなかったのです。どんな作風の先生なのかな~と,楽しみにしておりました。また,Twitterでこちらの学校の部員さんもフォローさせていただいており,どうやらタイムがギリギリだという情報を得ていたので,私もハラハラしながら60分過ごしました。


いやー…



きれいだったぁー…。




涙出ました。泣かなかったけど。こらえたけど。






暗転がものすごく美しい!


全参加校の中でダントツ美しい!!!!!!!!!


(と言っても,松川木曽青峰松本美須々ヶ丘なんかは暗転自体がなかったのだけど…)


いやでも,暗転がある場合,どう使うかってとっても重要!作品の出来を大きく左右すると思うの!


私はかつての長野県田川高校の“青転”が大好きでした。めっちゃキレイなの。
真っ暗にならないの。青なの。青。2001年・2003年の『神々の国の首都』や2003年の『くじらの墓標』なんかで見られてて,すっごい衝撃を受けたものです。それを思い出しました。

(はっ!!“~なの。”とか言って,取り乱してしまった…!)

青いランタンとか,「赤い目玉のサソリ…」とか…講師の先生方も仰っていたけど,汚れてしまった我々大人の心を浄化するには十分な効果でした…。うぅ…。

というか,「赤い目玉のサソリ…」を歌ってた方(ジョバンニ役の方ですよ…ね?),歌声がめっさキレイ!(また“めっさ”とか言って取り乱している。)
しかもアカペラだから,音を外さないのだろうか…とか心配しちゃったんですが,そんなこともなく。ちゃんと移動もされてて。良い腹筋と喉をお持ちの方ですね…。素敵です。


お芝居の話に移ると,みなさん基本的に一人複数の役をやられているんですが,早替えと演じ分けがものすごい!
ふたばの後に社長が出てきたところなんて(すげぇ…)と素で思っちゃいました。(言葉遣いが若いのは,それだけ心に正直だからです。ということにして。)
ちゃんと,一人ひとりのキャラクターが別モノに見えました。でも,あの役をこの人が兼ねているから意味があったり面白いのかなとも思います。

あとツボだったのが,車掌役の方…。
えっと…,あぁいう車掌さんて,いますよね!?カチカチっとした人。先生役の時は(あのひとカタいな…)と正直思っていたのですが,車掌さんになったとたんに本領発揮したなと思いました(笑)。タッパもあるし,非常にハマリ役でした。

これまで何度も何度も,いろんな形・いろんなモチーフの「銀河鉄道の夜」を観てきたんですが,今まであんまりしっくり…というか,安心して観れたためしがなかったんです。私。
高校生も年齢的には十分若いのだけど,もっと下の年齢の子の話だと思うので,“浮いてる感”がずっとあったんです。いくらハーフパンツをはいても,違和感があるというか。
でも,不思議なことに長野東のジョバンニとカムパネルラは,すごーく自然に観れたんです。私の中ではすごいことなのです。これ。
二人とも,身長差や服装含めて非常に自然で,全然嫌な感じがなかったんです。ふしぎー。

舞台装置の話をすると,(あのホーム下のあれは何なのだろうか…)と謎だったんですが,川だったんですね。
川とか水の塊(海・湖)って舞台で表現するにはホントに難しいことだと思うんですが,うまかったー。撤去もすばやくてよかった!思わず2006年に観たNYLON100℃の『カラフルメリィでオハヨ』の座布団撤去の部分を思い出しちゃいました。今回の長野東とだいたい同じ手法で撤去して,場面換えてたのです。

ホンの中身に移ると,星の王子様(というかサン=テグジュペリ)や小学生の姉妹,社長やお付きのひと…いろんな人生を抱えたひとびとが出てきたのが,素敵でした。キラキラした感じ。一人ひとりはなんでもない人たちかもしれないけど,その一人ひとりが集まると,ひとっていろんな立場があるし考えがあるし,そのひとだけの人生があるんだなぁということをしみじみと感じました。たわいもない会話から,それがかけがえのない時間であることを,なんとなく観ている側に伝えてくる。出会いと別れが本当に刹那的で,でもそれって(事故や震災に関わらず)私達の日常なんだよなぁと思うと,なんだか苦いような,くるしいような気持ちにもなりました。

ちなみに私の目から涙が出たのは,やっぱりラストです。お芝居に限らず,例えば映画『タイタニック』のラストのラストとか,絶対に叶わないことが叶ったり,集まるはずのないひとたちが集まったりすると,なんだか泣けてきちゃうのです。はわわわわ…。

そうそう。「私ホリゾントって薄っぺらくて好きじゃない」って,いろんな記事で書いてますが,これは本当に効果的だった…。“ただなんとなく青空”とかじゃなくて,ちゃんと時間の経過とかが追えてて。ラストの流れ星も,私はそんなに違和感なかったです。流れてくれてよかったです。

キラキラな時間をありがとうございました…。心が潤いました…。
長野東の皆さん,お疲れさまでしたー!関東の運営もよろしくお願いします!

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