Saturday, November 22, 2014

Théâtre des Annales vol.3『トーキョー・スラム・エンジェルス』



@青山円形劇場

作・演出:谷賢一

出演:南果歩/山本亨/古河耕史/山崎彬/加治将樹/一色洋平/井上裕朗

先週別件でこどもの城を訪れた際,このフライヤーを見て(あぁもう本当に閉まっちゃうんだな~)と思っていたのです。ご縁があって足を運べることになりました。

…久々に(お先真っ暗!)(゜∇゜)と思うようなお芝居に出会いました…。
「働け」というせりふがちょこちょこ出てきたので,昨年観ていたらよりぐっと私のみぞおちを刺激してきたことでしょう。社会人になってから観た作品で良かった…。

2012年にNODA・MAPの『エッグ』を観たときは,過去の話だと思っていました。
“あったかもしれない過去”を,未来という今から見つめている感じ。
でも2年経った今,『エッグ』は“未来を連れてきた作品”になった。
『トーキョー・スラム…』もまた,“未来を連れてくる作品”になるような気がしてなりません。

ムズカシーことは書けないのですが,この作品は東京に住む・働く我々が観るからこそ苦しくさせる要素があったように思います。きっと地方の方が観たら,なかなかピーンとこないのではないかと思います。
…と,思ってしまう自分になってしまいました。地方出身なのに,私…。かぶれてしまいました,私…。

あと,社会人になったと言っても,利益を追求したりだとかリストラされる危険性があったりだとか,そういうものと無縁のおしごとをしているので,世の中を回す仕事をしているひとってこういうひとたちなのかぁ…なんて思いました。近いようで遠いひとたち。ずいぶん狭いところで縮こまっているんだなぁ自分は。とか思ったりも。それが良いとか悪いとかではないけど。

ハッとすることがたくさんあったはずなのに,もう忘れてしまった…(焦)。
「埋没してしまうデモなんかより,事件を起こした方が君の意見が新聞に載る。世間に伝わる。」という発想は,なるほどなーなんて思って聞いてました。あと,「正当な努力」という言葉が印象に残りました。井上さんのせりふは刺さることばが多かったです。

そうそう。加治将樹さんは今回初めて拝見したのですが,つばシャワーを超えるつばの量がすごくてびびりました(笑)。あと私はGブロックにいたのですが,こっちへの圧力が半端じゃなかったです。途中本気で過呼吸になってんじゃないかと思ったり…。でも次のシーンでめちゃくちゃ静かに,そして変な格好で寝ているから,(あぁ演技だったんだー)と思って安心したり…。すげーパワフルな役者さんでした。目が素敵!

加治さんと古河さんと井上さんの早替えもすごかったです…。メイクまで含めて。
そしてスーツとのギャップもすごい…!一瞬同一人物なのか「???」ってなっちゃいました。

これから日本は確実に増税になるし,少子高齢化は進むし,年金はもらえなくなるだろうし,早く死んだ方が得なんじゃないかと思ったりするのだけど,それでもどうやら生きていかなきゃいけないらしいです。長期的なスパンで見通しを持つことも大事だけど,そればっかり考えてたら目の前の楽しいことをキャッチできなくなっちゃう気がするので,もう少し「here and now」を大事にしていけたらなと思います。
あと,いつもどこかでラーメンの温かみを忘れずにいたいなって思います。


やっぱり,円形劇場って素敵。
なんでもできるし,どこから観たって面白い。
向こうのお客さんの顔までよーく見える。
空間を共有していることが,よーくわかる。

ここに来られてよかった。
ありがとう,こどもの城。

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