Sunday, June 28, 2015

長野県飯田高校演劇班 第60回高松祭公演『リンゴ並木リンゴ紛失事件』


(高松祭公演パンフレットより)

@長野県飯田高校小体育館

作:横前光
潤色:長野県飯田高校演劇班
出演:長野県飯田高校演劇班

行ってきました飯田高校。
素敵な素敵な高校でした…。

そして観てきました演劇班。
“班”って,中信地区のニンゲンからするとなかなか耳慣れません…。

飯田高校と言うと,2000年代半ばまで中信地区の松本筑摩にいらした木村哲先生が異動された高校ということと,南信で一番偏差値が高いところというイメージしかありませんでした…。
そうそう。なので私は2006年に木村哲先生作の飯田高校『朝顔物語』を観ているはずなのですが記憶からすっぽり抜け落ちていて,9年ぶりの飯田高校作品!と言っても…。と言っても…。という感じなのでした。苦笑

なのになぜわざわざ飯田高校に…と言うと,
昨年南信の地区大会で飯田高校は『回転木馬とジェノサイド』を上演しておりまして。
この作品も木村先生の作品で,2005年度に松本筑摩高校が上演しているのをリアルタイムで観ていたのです。私。
かなりかなり衝撃的な作品で。なぜならば①関東大会まで行ってる②10~30代の部員で構成されているからで。

注目すべきは②!松本筑摩は当時全日制と定時制の高校で,いろいろ合わせると10代・20代・そして主婦の30代さんがいらして,なんかもうふつーの高校のニンゲンからするともうどうしようもない部分で,(何も言えません…)と思いながら観ていたのでした(笑)。カンパニーの実情に合わせたお芝居作りが大事だと思う…ということは昨年あたりからこのブログで何度か主張していますが,この学校のこの作品もまたそうだったなーと今改めて思っています…。

とにかくあの作品に挑む学校が10年弱経って出てきたとは!
どんなセンスを持っている学校なんだ!と気になって気になって,
それに加え私がTwitterでフォローさせていただいている方の中にこの班の方がいらっしゃって,いつもふぁぼってくださるのでさらに気になって気になって(笑),

往復10時間くらい掛けて行ってきました(・∀・)←
相当ぶっ飛んでいることは,自分がよくわかってるのでご安心ください。←


前置きが長くなりました。さてお芝居の話です…。
いやお芝居の前に…。

まず,「文化祭公演」って大変だよなとしみじみ思いました。
今回会場は小体育館だったのですが,高松祭のパンフレットをぺらりとめくると,開演の30分前までは邦楽班?の発表があるではありませんか…。
なので12時を過ぎると浴衣姿の女子達&おそらくその保護者の皆様がお琴やらマットやらを担いで小体からゾロゾロ出てくる…。

30分で撤去&立て込み…!めっちゃ大変…!もはや大会だわ…!

でもきっとこういう学校って結構あるんだろうなぁ。もちろん文化祭の期間中特定のスペースをもらえてそこを独占しっぱなしできる学校もあるだろうけど,そうじゃないところは他との兼ね合いや制約も多い中で発表しなくちゃで,発表そのものだけに注力できる訳じゃないんだなと思うと…。大変。大変だわ。

そして演劇の発表って,吹部や軽音との発表が被らないように調整したりだとか,外の騒音と闘ったりとか暑さ対策したりとか,意外と苦労が多いんだよな~なんてことも思い出しました。大変。大変だわ。


はい,お芝居の話に移ります!

“潤色”ってあるから既成なのかな?と思ったんですが,もしかしたら創作なのかな??
地名に飯田とか出てきたので,そのあたりが潤色なのかな~と思ってたんですが,どうなのかな。
飯田市に着いて,そこかしこにりんご(的な何か)があるのが目に入り,りんご推しの街だなと思っていたのですが,ここでもりんごだったので…。

班員が4人でキャストも4人!なのに照明も音響もつけなきゃいけない!入り口で当日パンフレットを配るひともいなきゃいけない!
なのでお手伝いさんがいらしたんですが,その数がものすごく多くてびっくりしました。
お手伝いといっても実際公演に携わるので生半可な気持ちではできないし,ある程度の覚悟が必要だと思うと引き受けるってなかなか難しいのでは…と思います。なのにこの充実っぷり…。班員の皆さんのお人柄とか,手伝いたいと思わせる力とか,そういうものなくしては成し得ないんだろうなと思います。それだけで,このカンパニーの質を感じられたように思います。

そして開演…。
思いました。私思いました。
(きっとこのひとたち人生迷ってるんだろうなー…)と。
このひとたちとは,キャストのみなさんそれぞれのこと。
ラストの一人一人のモノローグは,もしかしたら役柄を越えたキャストさんの叫びなのかもしれないななんて思いながら観ていました。
でもって叫んだあとジャンプして舞台から飛び降りて,小体の外まで突っ走っていくの,いいですね…。すごいですね…。緞帳が降りるときに,まさかのキャスト0状態…!

あ,そうそう。飯田高校の小体すごくって。
緞帳があるんですよ!すごくないですか!?(誰に言ってるの)
普通に,上から下に降りる緞帳があるのですよ!上がり下がりするときに,結構音は出ちゃうんですけど。でもお芝居始まる!終わる!がハッキリするという意味では良いですね…。歴史のある学校のつくりだと思いました…。

ただやっぱり,(特に高校演劇の出来の6割7割は脚本だな…)ということも改めて感じました。
テーマはわかるのです,テーマは!
なんとなーく,「これってやってみたらどうなるんだろう?」というふんわりした動機に突き動かされて,共感はされなくても自分の中で達成感を得られる何かをしてみたいという10代後半のひとの気持ち,わからなくもないの!カサハラさんも高校生やってて,演劇やってるけど将来は?ってふと立ち止まって考えたかつての10代後半のひとの一人です。
でもなんだか,話がふわっふわしたまま進んでいたような。私の吸収不足なのかもしれないけど。

場面がいくつかあるのですが,リンゴ並木のシーンと航海に出ているシーン,現実の中に仮想が突然割り込んできて,(なんだなんだ!?)と思いました。いや演劇的でそれ自体はアリなのだけど,いきなり感が強くて。なんだろう。何があればよかったのかな。照明に変化があったのでわかったんですが,でも(なぜここにこのシーンが?)という感じはあったかも。

舞台の設定は2000年なのですが4人は「1999年の設定でいこう!かっこいいから」みたいに言っていて,(なぜ2000年…)というところは置いておいても,(なぜ1999年…)というところは私の中では解決できませんでした。なんだろう~。99年の秋といえば,ノストラダムスの予言が当たらなくて数ヵ月経った頃だと思うんですが…。当たらなくて,(あーぁ生き残っちゃった。これからどうしよう)みたいな感じなのかな。なんかもっとあるのかな。良くも悪くもあえて99年に持ってきているから何かしらの連想はするのですが,私の中ではそこに意味を見出せなくて消化不良になってしまいました。うぅーん…。

あとこれも脚本の問題なのですが,文学っぽい表現と口語の表現が混ざっていて,すーっと耳に入ってきづらかったかもしません。本の言葉をそのまま使ってる印象で,それが役者さんの体に馴染んで発せられているかと言われると,何とも言えず…。特に弥尋ちゃんのせりふで感じました。(あくまで脚本の話です)


演技のことで言うと,光くん役の方が素敵でした!舞台をうまく回していたなぁ~と思います。自然にせりふが出ていて聞きやすかったです。(あと演技じゃないけど,衣装が柄×柄で斬新でした…。心のゴチャゴチャ感がよく出ていた…。)

ですが(光くんに限らず)全体的に,せりふらしくせりふを出していて,ちょっとテンポが悪かったかなと思います。相手が言い終わるまでしっかり待ってしまうことが多かった気が。いやいや実際の会話だったらそこは途中で会話をぶった切ってまで言うだろうとか,間髪入れず反応するだろうと思う箇所がちょこちょこあったので,せりふのキャッチボールがもっとできるようになるとぐいぐい引っ張れるお芝居になれるだろうなと思いました。

あと,せりふに忠実すぎたというか,ノンバーバルなリアクションが多かったのも気になりました。特にアスカちゃん?くん?がそうだったかも。アワアワしているところとか,とても愛らしかったのだけど,もっと声に出してリアクション取るとせりふも出しやすくなるのかなとか。せりふとして書かれている言葉だけが出てくる音声ではないし,書かれているせりふが出るためにどういった心の動きがあるのかなーと考えてみるともっと音声としての反応が出てきてもいいのかも。そうでないと,いわゆる小手先の演技というか,取ってつけた中途半端な動きとしてのリアクションになっちゃいがちなので。キャラがすごく素敵な方だったので,思い切りはじけられるとさらに素敵なのでは…と観ていて想像しちゃいました。

声に関しても,皆さん出てはいるのですが喉から出ているというか体幹を感じにくい声だったかも…と思います。このお芝居を観る前日に日芸のお芝居を観て(しっかりトレーニングされてるー)と感じたばかりだったので,余計気になってしまいました(笑)。
1,2年生の方が大半を占めているようなのでこれからかもしれませんが,基礎を頑張ってほしいなと思いました。

そうそう。話がコロコロして申し訳ないのですが,アクティングエリア。平面というか,ほぼみんな一列!なのはもったいなかったです。特に話すときとか,のっぺりして見えてしまって。もちろん小体育館のステージなので限度はありますが,もう少し奥行きは感じたかったかも。最後のモノローグではギリギリまで客席に詰めてましたが,もう少し本編(?)でも。リンゴの木が奥にあるのでそっちに集まってしまうのは仕方ないかなとも思うのですが。

さらにさらに照明について。照明頑張ってた!のがよく見えました!スタンドのやつをよく駆使されてたな…!と思います。花火のところ(超深夜だろうに,なぜ花火なのかも脚本的にアレ?ってなりましたが…。現実の花火ではなくて彼・彼女の心のイメージなのでしょうか…。)は,最初は大きさと当てる相手に迷いまくっているのだろうかと思ってハラハラしていたのですが,ちょっとして花火を表現しているのか!とピピっときました。なるほど…。
あとコロガシ?なんて言うのかな。リンゴの木用の4つのライトが素敵でした。私の好きな青だったのでさらに。笑
懐中電灯を持ってお芝居するシーンが2箇所出てくるのですが,最初の方はリンゴ用のライト(だった気がする)もついているし懐中電灯もついているしで,なんだか懐中電灯の効果が薄れてもったいなーい!と思っちゃいました。後のシーンは懐中電灯オンリーだったのですが,最初からそれでもよかったのかななんて思います。


いろいろ書いちゃいましたが,人生の露頭に迷っているひとたちが,実りきらない,熟しきっていない,知恵の象徴でもあるリンゴを,あるエリアから根こそぎ奪うという行為そのものが自滅的だなと思ったし,でもその中から自己を見出そうとしていて,その苦しさがひたひたと伝わってくる作品でした。
大学生のアスカも「人生迷ってます」みたいなこと言っていて,(え,多少なりとも選んで大学入ってますよね?)と一瞬思ったけど,思えば私も大学生になったからこそ人生迷って専攻を学部から修士で変えたので,ひとのことは言えんなと思いました。笑
そういう意味で,南信のトップ校らしい作品でした。きっと今の飯田の皆さんだからこその舞台なんだと思います。

はー。飯田市初上陸もできたし,吹いてくる風は心地よかったし,校舎もかなり素敵だったし,実際飯田高校に足を運ぶことができてよかったです!いつも小体でお稽古しているわけではないと思いますが,そのカンパニーのホームにお邪魔するっていいな~と改めて思いました。

飯田高校のみなさん,ありがとうございました。
特に3年生の方は,今まで本当にお疲れ様でした!お芝居ではないかもしれませんが,今後のご活躍をひっそり応援しております。

(あっ,パンフレット裏表紙の過去の上演作品の一覧が素敵でした!6年間分出すって,歴史を大事にしている感じがしてとっても好感!あとちゃっかり次の宣伝するのも大事…!)

+++

2015.7.1追記。

Twitterでフォローしている班員さんに教えていただきました。この作品は既成のものだそうです。

そして書き忘れ!
↑でリアクションのこと(主にせりふ)を書いていますが,表情!表情のことも言いたいです。
ざっくり一言でまとめると,顔の筋肉が使われていなくて残念…。言葉は出ているけど顔が追いついていない気がしちゃって,もったいなかったです。
意外と…自分の中では「表情変えてる!」って思っても,ビデオなんかに撮って見てみると変化が小さいなんてことがあるので,一度録画してチェックすると一歩引いて観られそうだなーと思いました。

あとあと,カーテンコールが丁寧でとっても素敵だったということを書き加えておきます!
一番最後に班長さんのお名前が呼ばれたときは,なんか本当にこの日初めてお目にかかった方なのに泣きそうになっちゃいました…(;o;)
引退って尊いなぁなんて,しみじみ思いました。

Saturday, June 27, 2015

日本大学芸術学部演劇学科平成27年度総合実習IIA(演劇)『まっぷたつの子爵』

(日本大学芸術学部演劇学科公式サイトより)

@日本大学芸術学部江古田校舎北棟中ホール

原作:イタロ・カルヴィーノ
構成・歌詞・演出:加藤直
出演:日本大学芸術学部演劇学科

江古田に来るのは2011年に観た『ヨサブロゥ』以来!4年ぶり!
あの時はなぜかキャンパスの表ではなく裏に来てしまって,優しい警備員さんに「しょーがないですねどうぞー」と通してもらって中へ入ったのでした…。

今回は同じ過ちは繰り返すまいと思い,きちっと地図で確認していざ江古田駅の北口へ!そして階段を下りて右!ちょっと歩く!もう着いたー!!近かったーーー!!!4年前の私のアレは何だったの!もしかしたら新江古田駅から行ったのかな!まぁ着けたからいいや!

この記事を書くために日芸のwebサイトを確認してみたんですが,2006年にも加藤さんの演出でこの作品やられていたんですね(・ω・)でも当時は副題で“ボクたちの物語へ”みたいなものがついていて,多分06年版とまるまるおんなじという訳ではないのだろうなと思います。
お芝居をべんきょうするには基本に入るお話なんでしょうか?私は今回初めて知った作品なので,とっても新鮮でした。

加藤さんといえば松本でよくお芝居を観ていた私としては馴染み深くて,まつもと市民芸術館の専属カンパニーであるTCアルプ『月と泥棒と太陽と』などの演出をされている方。串田さんの系列(と書いて良いのだろうか)なこともあってか,『K.テンペスト』に似た感じが特にしました!
なんだろうな。語りが多いからかな。

主におはなしを進めるためのせりふと登場人物として発せられるせりふのふたつで物語が進んでいくのですが,前者がやや多かった印象が強くてなかなか感情移入できないというか…一歩引いて舞台を観てしまうというか…そんな感じが全体的にありました。後半に来てやっと慣れました。笑
複数人で一つのせりふを出すのも,『K.テンペスト』ちっくだなと思った要因かも。あ,あと個人的に『テンペスト』観てたときに若干気分が悪くなったので,それで余計今回入り込めるまでに時間がかかったのかも!そうに違いない!(なんかすみません…。)

でも,きちっとトレーニングを受けてきたひとたちの声がとても良くて,(おぉっ!)と思いました!なかなか感情移入というか作品に没頭できなくても,役者さんたちの技量でカバーされた感じがします!(ほめてます!!!)
ボク役の方の声が特に素敵だったなぁ~。アニメ声というかとても特徴のあるお声なのだけど,パーンと通る声で,きちんと強くも出せていて,聴いていて心地よかったです。ああいう少年っぽい役が合う方なんだろうな~と思いました。あともうひとりのパメーラ役の方も声や雰囲気が素敵だった…。

舞台セットも,幕の使い方も,演技も,とっても丁寧に作って&使用しているのが印象的でした。スタンダード(って何をもってスタンダードなんだって話ですが)をしっかり追っている感じ!実直に舞台に向かっているなぁということがよーく伝わってきました。パンフレットの中で加藤さんが
“どうやらこの現代は色々の地図や人間一人一人の個性を必要とせず,ペラペラの紙きれや機械の中に画一化して収めようとしているらしい。だからこそ劇場に劇場の表現にこだわるべきなのです。”
と書いていますが,私も演劇である以上“劇場の表現”というものにはこだわるべきというか,演劇という手法を取っている以上,演劇だからこそ成し得る表現を観たいと思っているので,この文章を読んだときは脳みそが激しく反応しました。ピコーンって。笑

例えば最初の音楽~「昔,トルコで戦争があった(みたいなせりふ)。」とか。子爵がまっぷたつになるまでは紗幕で手前のボクと奥の戦争シーンが区切られているとか。回転舞台が回ると場面がひとつ進んでいるとか。お芝居ならではだなぁと思いながら観てました。

そうそう。最初のひとつの音から始まって,徐々に人と音楽が増えていく最初のシーンが超かっこよかった!あと最後の音楽&歌も,圧がぐあーっと迫ってくるのを感じました。かっちょよかったなぁ。

素敵なせりふにも出会いました。全部は覚えていないけど,「芸術も○○も,断片に過ぎない」みたいな言葉。あぁ,こんなんじゃ何も伝わらん。笑
でも全てが丸くてカンペキなものなんてないんだろうなぁと改めて思えたのでした。だから私は私が欠けていても,きっと大丈夫。多分。

今回出会えた役者のたまごさん達は,卒業までにどう大きくなって,卒業したらどんなお芝居をするのかな。このお芝居を観られたことももちろん良かったですが,私の席の近くにいた,日芸の学生さん達がワクワクしながら観ている姿を見られたこともなんだかほほえましくて嬉しかったです。笑

…なんか思い返すと,授業の一環(?)として大学生がつくったお芝居を観るのは,2009年の明治大学の『ハムレット』以来かも。
大学によってやっぱり“色”ってあるんでしょうね。日大を満喫できて楽しかったです☆

Saturday, June 20, 2015

劇団→ヤコウバスpresents月観ヤコ旅6月 ヤコウバス×きせかえできるねこちゃん『居酒屋』

(劇団→ヤコウバス公式webサイトより) 

@吉祥寺 Neuro Cafe

作:エミール・ゾラ
脚本:川名幸宏
出演:丸山港都/山田志穂/草野峻平/神山美樹/酒寄拓/川名幸宏

(きせかえできるねこちゃんがまた公演を打つ…!)

という一報を知って,ワクワクしていたこの企画。
しかも劇団→ヤコウバスとコラボ…!
ヤコウバスは3月に観たばかり。つまり全員(一方的も含めて)知っている!行かねば!

ということで,またまた吉祥寺におでかけしてきましたー。



ねこちゃんの主宰,丸山港都くんによると,24・25歳あたりでお芝居をやっていた大学の同期が減ったそうな。皆役者という衣装を脱ぎ,堅実な(?)人生を歩み始めたそうなのであります。

ねこちゃん世代の私達,今年でにじゅうななさーい☆

「続けるって才能だな」と,改めて思います。
高校の先輩とかでもお芝居関係では良いところに進学された方々がいらしたけど,いつしかパタリとお芝居の世界からいなくなってしまって,今は全く違うお仕事をされていたり。
すごーい力を持っていても,それを発揮しなければないのと同じ…とまでは思いませんが,封じてしまっては見えるものも見えなくなってしまうなぁとしみじみ思いました。
大学を出て5年くらい経つのに,今は所属も住む場所もバラバラなのに,当時のメンバーが時間を削り合って集まって,また舞台をつくる。私も一応社会人なので,その大変さはじわじわ伝わってきました。
今回の舞台,とっても尊いなぁなんて,そんなことを思いました。


さてお芝居の話。
私,予想外のことが起こり,観劇予定の日の前に初日を観た先輩の感想を聞いたりネタバレを役者さんから聞いたりみたいなことがあり,(なんて新しいお芝居の観方なの…!)と思って観ました。笑

ライブ感ていうのかな。ストリート感ていうのかな。ぴったしの言葉がうまく見つからんのですが,場の使い方がすんごい面白かったです。ふふふ。

会場は吉祥寺のレンタルスペース。“Cafe”っていうからカフェなのかと思ったら,本気で普通のレンタルスペースでした。でも建物の上の階はアパートになってるのかな。ひとのおうちが何部屋かあって建物自体も面白かったし,一階なので外の道路をふっつーに作品の中で使ってたり。

初日を観た先輩から「観ようと思えば,外をパリに見立てることもできるのね。ただヤ○トのお兄さんが外を走ってたときはくすっとしちゃったけど」とお話されてました。私も,歩きや自転車で会場の横を通っていくご近所の方々がこっちをチラリと覗きこんでいるのを楽しみながら観ました。この日はヤ○トはいなかったけど,佐○が通っていきました。笑
窓の向こうにホントにランティエがいて,クーポーがワイン瓶持って外に飛び出していくあたりなんてとっても素敵で面白かったです。

そもそも元は小説だし,翻訳されてるし,それを川名くんが拾い集めて調理してるし。
でも面白いくらい当て書き感があって,すんごくすんなり観れちゃいました。そうそう。誰かの翻訳なのだけど,わざとらしい訳というか不自然なせりふというか,カターい言葉がなくて,全体的にすっと入ってきたのでびっくりしちゃいました。たまに(こんな言い方しないな)とか思う部分もあったのですが,それはただ私の使う言葉の数が少ないだけかもしれない…。
とにかく翻訳翻訳してるせりふじゃなくて,聞きやすかった!

今回一番びっくりしたのは,しほちゃんの声!
当日パンフに「朗読の名手」みたいに書かれてたと思うんですが,いやー,あの声で美しい日本語を聴けたら,きっとうっとりしちゃうんだろうな。
私の中でしほちゃんといえば,どちらかと言うとほそーい,やわらかーい声という印象があったのですが…ちゃんと,(インナーマッスルが鍛えられている声がする…!)って思えました。大きい声を出すとか,声を張るとかそういうことではなく,しっかり通る安定した声になっていたので本当にびっくり。あぁー。女優さんだわしほちゃん…。
あとしほちゃんはスタンダードな表情が笑顔に近いから,それもまたいいよね。つらいのにくるしいのにニコニコしちゃったりすると,その奥に怒りがあることがひたひた伝わってくるよね。

あと,ランティエと街を出てった背の高い女の人って,みきちゃんなのかと思ってしまったよ,序盤…。みきちゃんのノンバーバルな存在,とても良かった。タラッタラッタ踊るところとか,身軽でとても素敵…。入店してきたときにチラッと顔が見えるのがきゅんってきました。笑
あとあと,最後の最後のピースサイン,かっちょよかったです。印象的…。

はー。なんか思いつくままに書いていて収拾がつかないのだけど,とりあえずダメダメな人たちがここまで集まってるのってすごいな。ランティエが「僕が出すよ。あ,持ち合わせがなかった。」とか言ったときはほんっとにダメ人間だな!って思いました。ここまでだともはや清々しいです。笑
彼らを通して自分の生き方を見つめ返せるような気がしました。あくまで気。←



もっと書こうと思えば書けるかもしれないけど(やっぱり梅シロップが梅酒ロックに聞こえたり),とにかくライブ感が楽しかったです。劇場と日常がフシギなところで繋がっている,そんなことを味わえた舞台というか,時間と空間でした。

ヤコウバス&ねこちゃんの皆様,お疲れ様でした…☆



…。

……はっ!


そうそう。今回のチラシは↑に載っけている通りなのだけど,ボツになってしまったというもう一つのパターンの方が,個人的に好みかも!

(これ↓)

すごーい!雰囲気が出まくっている!みきちゃんのマルチな才能よ…。

Thursday, June 18, 2015

世田谷パブリックシアター『敦―山月記・名人伝―』

(世田谷パブリックシアターwebサイトより)

@世田谷パブリックシアター

原作:中島敦
構成・演出:野村萬斎
出演:野村万作/野村萬斎/石田幸雄/深田博治/高野和憲/月崎晴夫
大鼓:亀井広忠
尺八:藤原道山

2005年の夏。私はとある舞踏公演を観に東京にやってきました。当時高校生。
夏に東京に来たのは初めてで,めっちゃくちゃ蒸し暑くて,コンクリートジャングルってこういうところ!!!…と,体感したのでした。

そしてもらう大量のフライヤー。
その中にあった,『敦』。これです↓
野村萬斎がどどんと載っていて,(野村萬斎ってこういうお芝居もやるんだー)と思ったのでした。確かちょうど「山月記」を習ったあたりということもあって,印象に残ってました。

それから10年。
再演の一報。

(…観たい!)

条件反射並みのスピードで,そう思いました。
高校の部活の同期を誘い,気合いでチケットを取り,行ってきました世田谷パブリックシアター!

超たのしかったーーーーーーーーーー!!!!!

やはり“ホンモノ”に触れると,心が潤いますな…。
とても充実した時間を過ごせました♡
S席7,800円の価値は十分にありました!

全然まとまらない中書くのですが,まず中島敦の半生について思うところを…。
…さ,33歳で亡くなっているのですか…!?
私,彼の享年まであと7年くらいしかないんですが…。
なんて,なんて短い人生なの…。
気管支喘息の療養も兼ねてパラオへお出かけしていたことも,今回初めて知りました。一瞬スタジオジブリの映画『風立ちぬ』のヒロインを思い出しました。ちょっと違うけど。

でもWikipediaなんか見ると,執筆期間は1年くらいなのですね。なんだか,そこで生命のエネルギーみたいなものを爆発させたような感じですね…。自分がここにいたことを残したい。そんな気持ちが執筆期間と作品数から見えるような気がします。

この作品を観る前に,最新号のシアターガイドを立ち読みしました。笑
萬斎さんのインタビューを読むと,萬斎さん自身も伝統芸能の家に生まれた自分の境遇に悩んだことがあったそうで,“自分とは何か”について深く考えたのだそうです。
私も「自分とは何か」とか「何のために生まれたのか。生きるのか」ということについて昔からずうっと考えていて,でも答えは出ないからすごく関心の高いテーマで,そういう意味でもとっても楽しみな舞台でした。

この作品のタイトルには「山月記」「名人伝」がくっついていますが,その他にも彼の作品からいろいろ引っ張ってきていました。一番心に残ったせりふは,「山月記」から引用している

“人生は何事をも為さぬには余りに長いが,何事かを為すには余りに短い。”

という言葉。2時間の中で一番多く出てきたせりふかな。
この作品が再演に至るまでは10年かかりました。(あぁ,私はあと10年で何を為せるのだろう。)そんなことをぼんやり思いました。

「山月記」でも「名人伝」でも,野村萬斎演じる敦の他に,赤と緑と紫の“敦たち”が出てくるのが印象的でした。センターで萬斎さんが立っている背後から,左右にゆらぁ~って,人生の影のようなものが出てくる。それがとっても演劇的な表現で,ぞぞぞってなりました。キーの色(赤緑紫)以外は,メガネも髪型もスーツも全部同じ敦たち。彼らは,敦が生きなかったもうひとつの人生の象徴なんだろうなと思いました。同時に…背後から見ている敦自身でもあるのかな。重くて,濃くて,存在感の大きな3人だったなと思います。


「山月記」は,本当に古典芸能っぽくて(2時間こんな調子なのかしら)とつい心配してしまいました。笑
あと虎になった萬斎さんが…。なんか勝手なイメージで黄色っぽい虎になるのかと思いきや銀ぽかったので,(そっちなのか!)と思いました。笑 うまく言えないけど,衣装で表現するのって難しいですな…。←

うさぎちゃんが徐々にむしられて引き裂かれて血まみれになるのがよかった…。ただ上手下手でポンポンとキャッチアンドリリースを繰り返しているだけなのに,鮮やかだなぁ~。(ほれぼれ)

あとお付きのひとたちが外側から内側へジャンプして降りるのと同時に,萬斎さんがびゃっとジャンプしてセンターの段に上がるのは(おぉっ)ってなりました。萬斎さんのジャンプ力,すごいな…。ふなっしーもびっくり…。

そうそう。今回ちゃんと読み返さずにいきなり舞台へ行ってしまったのですが,(李徴ってあんなに自虐キャラだったっけ!?)って思いました。笑
伍のシーンで,

    《前略》自分にとって,恩倖,これに過ぎたるものは莫い。
袁傪   袁傪もまた涙を泛べ,欣んで李徴の意に副いたい旨を答えた。
敦・高野 しかし
敦たち  忽ち又先刻の自嘲的な調子に戻って,
李徴   (自嘲的な笑いで)本当は,先ず,この事の方を先にお願いすべきだったのだ,《以下略》

という場面があるのですが,李徴のぶえーん!ぐすぐす…からギャーッというコロリ具合が(まじかー!)ってなりました。なんだこのひとーって。笑(←擬音だらけでスミマセン…。)
そしてこのひとすんごい脆い…。なんていうか,この時代に精神医学という言葉があれば,ボーダーってこんな感じなのかなとか思いました。この揺れ具合よ…。

あとこれを観ていて,昨年観た映画『わたしたちに許された特別な時間の終わり』を思い出しました。歌手になることを目指して上京した増田壮太氏が,世間の波にもまれて傷つき,思い通りに人生が進まず「映画を完成させてね」というメッセージを残して自殺するまでと,完成させるまでの話。ノンフィクションのパートとフィクションのパートが混ざりあいながら,フィルムは進んでいきます。

李徴のようなひと,増田くんのようなひと。こういったひと,現代にもいくらでもいるんだろうな。
そんなことを思いました。
あの映画を観て以来,(思い描いた世界にたどり着けない場合,どうルートを修正することが妥当なのだろうか…)とぼんやり考えていたのだけど,改めてぼんやり思い返しました。


「名人伝」は「山月記」と大きく違って,すんごい愉快で楽しかったです。
万作さんは,地元のまつもと市民芸術館で11年前に狂言を観て以来な気が…!
親子共演…。ドキドキして観ちゃいました。前回はお父様がやっていた役を今回は萬斎さんが演じるというあたりに,時の流れを感じます…。

この「名人伝」は,2015年だからこそできた演出なんだろうなーと思います。スクリーンを使って漢字で遊ぶのが本当に面白かった!矢が刺さりまくるやつとか。虱とか。「鳥」を射止める演出とか「鷲」を射止める演出,最高でした。なかなか演出で最高とか書くニンゲンじゃありませんが,これは最高というか最強だったな…!やられた!私も鷲をキャッチしたい!!!笑

あと萬斎さんがコミカルなお芝居やってると本気で輝くよね。2014年に観た舞台『神なき国の騎士』でも思ったけど。なんなのこの幅の広さ。それでいて上品だからさ。すごいとしか言いようがないよね。うん。

だけど最後はこれでもかーってほど舞台がぐるんぐるん回転して,時間も時代も超越して“敦”が私たちに「何を為すのか」「為せるのか」「自分とは何か」を突き付けてくるようで,ぐおおーって胸に迫ってきました。あぁぁ。とても濃密で重厚な舞台だった!


舞台美術も一見シンプルだけど効果的でよかった!月のように,私には見えました。灰色の月。石でできたような月。客入れのときの敦の写真とか,お墓とか。きれいだったな。(そして幕が上がるとお墓から敦が蘇る!)
月(に見える舞台)の装置も八百屋になってるから,キャストが歩くだけでその道のりが大変なことが伝わってくるし,「名人伝」ではめっちゃタッパがある方が客席側に回っているから紀昌のオロオロ感もよーく伝わってくるし。良かったなー。


ざっくり書いてしまったけど,買ったパンフレットはまさかの顔写真なし脚本ありの豪華(!?)な内容だったので,インタビューも含めてじっくり読んで,もう一度作品を味わいたいと思います。

萬斎さんが演じるからこそ意味ある作品だったんだろうなと実感…。
最近こういう舞台を観ていなかったから,本当に刺激的でした。満足!
あとあと,実は今回初めて藤原道山さんの尺八を生で聞きました。これも加わってさらに満足でしたー!

Saturday, June 13, 2015

テレビドラマ『ハクバノ王子サマ 純愛適齢期』

◇STAFF
演出:熊坂出/本田隆一/守屋健太郎/樹木まさひこ
原作:朔ユキ蔵『ハクバノ王子サマ』
脚本:藤井清美
音楽:松本晃彦

◇CAST
優香/三浦貴大/中村俊介/新井浩文/河北麻友子/市川実和子/山田真歩/優希美青/柳下大

2013年10月~12月に日本テレビ系列で放送

リアルタイムで観ていたけど,まとめたいまとめたいと思っているうちに放送終了して1年以上経っちゃいました。木曜の深夜枠のドラマだったので,おそらく予算はあんまり…というドラマだったとは思うんですが,20代半ばの私の胸をえぐりまくるドラマでした♡久々にドラマにハマってました♡♡♡

や。主人公の原多香子ちゃんは32という設定で,私はまだ一応20代なので年齢的には全然近くないのですが,人生に疲れた感(と表現すればいいのだろうか…)はすごーく共感できる部分がありました…。もう恋なんてしない!とわざと冷めた目で世の中を見ているあたりは,高校生当時(50歳で未婚だったら出家しよう…)と思っていた私と通ずる何かがありました…。うまく言えなくてすみません…。心は32ってことです…。

だから,もう,心をフリーズドライで保存しておこうと思っているひとの前に小津先生とか出てきちゃいかんよね!笑 乱されるよね!笑 私の前にも小津先生出てこないかな!!!←
ドラマなので,言ってしまえば何でもありの世界なのは確かで,(いやいやそんなん先生が生徒の前で言っちゃだめでしょ。)とか思うせりふはちらほらありましたが,若さの象徴という意味ではとても良かったです…。優柔不断なところとか,本人としては優しくしているつもりがすんごいひどいことだったりとか。私はこれで三浦貴大のことが好きになりました…。←

原作の漫画では小津先生が主人公らしいのだけど,ドラマはタカコ様が主人公になってたので,軸も彼女目線。タカコ様のあれこれと小津先生のあれこれが組み合わさって話が進んでいくのだけど,私は居酒屋のシーンがとても好きでした。
タカコ様達女性教師3人+ユウコの何も気を遣わなくていい焼き鳥屋さんでのわいわいきゃいきゃいとかは,30代女子あるあるなんだろうなーと思いながら観てました。「合コンでいいなと思った人,かぶらないか確かめよー!」みたいなやつとか。笑
小津先生の男性チームは,逆にお互い探りを入れながら呑んでいるのが良かった。夢見てる女子達に対して,この先どう人生設計立てていくのかを模索しているみたいで。

そうそう。素敵なサブキャストが多かった気がする!

今回一番いいなーと思ったのは山田真歩。英語の先生役だったひと。
あの意思が強そうな感じ,良いですね!翌年の朝ドラ『花子とアン』で宇田川先生を演じていたけど,どちらもとても良かった…。キリッとしてるけど実は脆いんだろうなぁとか,いろんなイメージを抱ける女優さんだなーって思います。声もパーンって出るひとだから,本当に強気な役が合う!すごい収穫でした(*´∇`*)

あと市川実和子は自然体な演技がとても素敵。
私,2004年にこの方の舞台『スカパン』を観てまして。当時高校生だった特権で,リハ風景なんてものも見学させていただきまして。(すんごい細い・高い・美しい…!)と思っていたのであります。普通教員同士の飲みに普通のひとが混ざるか(混ざれるのか)!?って思っちゃいますが,市川実和子が演じているからいけたのだと思います(笑)。最後ちゃっかりなところも,器用だな…と。

でもって,私昨年感想を書いた映画『私の男』で,“河井青葉さん見るのはじめてー!”みたいに言ってましたが,よくよく考えるとこれに出てるじゃありませんか…。あまり顔が写らないからわからなかったよ…。すみません…。なんか,具合悪い感じがじわじわ出てて素敵ですね♡(ほめてる)赤とんぼの話とか全然興味がないあたりとか,中村俊介との関係がよーく伝わってきました。


カサハラさん的ときめきポイントは,やっぱり海でタカコ様が小津先生のはなのアタマに触るところ…(´∇`)☆あの間が良いよね。お互い何考えてるかが,わかるし見えるよね。心がつながるってああいうところを言うんだと思います。ふはぁ。(溜息)


(あ。主題歌も良かったなー。かりゆし58の「恋の矢」。前に日テレの『銭ゲバ』をちょろっと観てたときもこのひとたちの曲が使われてて,その時は(威圧感あるな…)と思って聞いていたのだけど,これはまっすぐ感があって素敵。MVにも優香が出ている!)


最後タカコ様は,自身も通って長ーく勤めた学校を退職するけど,やっと小さな世界から外に一歩踏み出せた感じで,とても素敵でした。社会人として何かモンダイを起こしちゃうのはアレですが,恋をして,嬉しさもくるしさもいろんな気持ちを味わって,考えて何か行動に移せるって,とても素敵なことだと思うの。そういう意味でタカコ様は私を後押ししてくれた感じ。変わることを恐れず生きていけたらいいなぁ。

“本当はこうしたい。でも動けない”というところから,整理して一歩を歩みだす。そんな30代の葛藤が,ヒリヒリするけど応援したくなる。そんなドラマでした。

Saturday, June 6, 2015

~中信高校演劇連盟春季講習会・松川高校演劇部全国大会出場記念公演ゆめ舞台2015春~ 長野県松川高校演劇部『べいべー』

(まつもと市民芸術館webサイトより)

@まつもと市民芸術館主ホール

作:青山一也
潤色:長野県松川高校演劇部
出演:長野県松川高校演劇部

(タ,タイトルが長い…!笑)

Twitterでフォローさせていただいている松川のOGの方から,今回の公演を知りました。
長ーいタイトルの通り,長野県の中信地区の講習会の一環として,今回公演を打たれたようです。

思い起こせば中3~高3の時と学部4年の時に,私もこの講習会参加しました…!(昔は中学生と高1を対象にしてた。気がする。ちなみに学部4年次は教育実習生として部活の副々顧問的な感じでちゃっかり参加しました♡←)
なので6回目…?今回は公演を観ただけで講習の中身はわかりませんが,というかもはや自分が何者なのかよくわかりませんが,多分この講習会の内容が私の知る6回でいっちばん濃かったのでは!!!
だって全国レベルの公演が観られて,その裏側まで垣間見れちゃうのだもの!!!(ここは一般の人NGだった。見られるものなら見たかった…。)

いいですね…。素敵な企画ですね…。あと他地区が他地区を呼ぶから成立するんでしょうね…。(同じ地区内でやられたら,きっと私は嫉妬しまくって落ち着いて観られない。笑)
普段も地区大会でお互いのお芝居って観てると思うんですが,中信のひとたちが観客100%でひとつの同じものを観ることに意味があるんだろうなとも思いました。(うまく伝わるだろうか…。)

さて!2015年度版,新生『べいべー』についてです。
そうそう,私はこの舞台を県大会でも関東大会でも拝見していて,当然ですがそのときのメンバーとパフォーマンスがオリジナルだと思っているので,どうしても新鮮な目では観られませんでした。今回のメンバーでは初めて,トータル3回目の観劇の感想です!
(今までの松川『べいべー』の感想はこちら。)

今まで,カンパニー(学校)やメンバーを変えての“再演”というものはいくつか観たことがありますが,キャストやスタッフが一部替わって&年度をまたいで同じ作品を観るということがなかったので,新鮮というかなんというか…不思議な感じでした。
しかも2月にキャストとして出演していらした方(Twitterでフォローさせていただいている彼女)が客席にいて,私と同じものを観ている…ということがほんとーにたまらなく不思議でした!

そして改めてわかりました。
この作品,父と母とももとたかしの4人が,60分の流れを決めるなぁということが。いや,今さらすぎるんですけど,この4人が全員替わっていらしたので,実感しました…。
私はどなたが何年生の方かわからないのですが,前回のパンフレットにお名前がない方はおそらく新入生さんなんだろうなーと思います。高校に入学して2ヵ月でこんな大舞台に立つなんて!すごいな~と思いながら見守っていました…。
そういう温かい眼差しを送りたい気持ちが大きいですが,今回の冒頭はなんだか間延びというかなんというか…?何だろう。喋り方がべたーっとしてるなーと思ったということも,書いておきたいと思います。不自然というか必要以上に延びてるというか。きっとここでお客さんを自分達のペースに乗せられたら,もーっと笑える舞台になれるはず!だと思います!

もも役たかし役の方は,前回は別の役として出られていた方だったので観ていて新鮮でした!特にもも役の方。見える風景も気持ちも全然違うんだろうなぁ~と思いながら拝見しました。ちゃんと脱けんたくんでももちゃんだったので,この方のお力を感じました。

だからかりんちゃんが出てきたときはほっとしたというか安心したというか,(超安定してる…!)って思いました。「ぷっはー…」とか。(そうそうこれこれ!)って。笑

あと多分気のせいなんですけど,さくらちゃんは声の出し方が何だか前と違うようなそうでもないような…?いや多分会場の違いによるものだと思います。

そうそう。けんたくんがガチで男の子になるとああなるんですね。ちょっとドキドキしました。笑
「さぁ僕の胸に…」の一連の動きは,まだはっきり決まってないのかな??以前がキレキレだっただけに,模索中!!!という感じが伝わってきました。NEWけんたくんの口説きに期待です。笑
←そしてやっぱり男性があの衣装着ると,ふくふく感がなくなっちゃいますね…。線の細い方だったので余計に。


年度をまたいで全国って,絶対大変だと思うのですよ。1,2年生だけで関東まで行って全国を掴んだとしても,新たに入ってきた1年生を既に作られた作品の世界まで引っ張りあげないといけないし,今回の松川のように関東で3年生が卒業したらメンバーも作品も再編成しなきゃいけないし。

今回拝見していて,何となく「3年生が抜けた穴を埋めた」感じの舞台だなぁと思いました。例えば,今回のももちゃんもたかしくんも,特に見た目が前のキャストの方を意識しているなとばっと観て思いました。元々の完成度が高かったし,そういう形を目指すことが良い悪いと言いたい訳ではありません。(年度をまたぐって,こういうことなんだぁ)としみじみ実感しました。
だけど私は前のキャストの方のコピーを見たいのかと聞かれたらそういう訳でもなくて,というかそういうことするとこの舞台絶対つまらなくなると思うので,このメンバーの間合いとか言い回しとかを大切にしつつ,持っている引き出しを生かしていけるといいんだろうなーと思いました。

言いたい放題ですみません…(笑)

あと細かいところですが,
アクティングエリアがたまに曖昧になっちゃうのと,
たかしくんが天パーと言われている割にはストレートに見えたなと思ったのと(私の視力の問題かも),
ももちゃんのうっふ~んのやつはもう少し下に付けても良いかな?と思ったのと(見えにくかった)…。あ,そいやっさ!は私は見慣れていたので良かったけど初見の方は何が起こったかわからないまま隠されちゃう気がするのでもう少し見せても良いかなと思ったのと,
ラストの赤ちゃんの泣き声とゴンチチのかぶりが微妙な聞こえだったのと,
最後の緞帳はもう少し早いタイミングで下ろしても良いかな?と思いました。
あくまで3回目の,観る目が無意識のうちに厳しくなっている一観客の感想です!

でもほんっとにこの舞台大きくて,大変だと思うんです!松川の皆さんは初めて使う場所だったんですよね,きっと。
入部間もない1年生も多い中で,今年度が始まって2ヵ月でここまで持ってこられたことがすごいです!
全国の本番まであと2ヵ月弱…。ここからの新生『べいべー』の成長が楽しみです!

松川高校の皆さん,遥々松本までお疲れ様でした。
そして刺激的な時間をありがとうございました☆


+++

2015.6.7つけたし。
そういえば関東大会で指摘?されていた(気がする)「自衛隊のパパ」「脳みそまでマッチョ」のあたりのせりふ。
何が変わったのかなーって思って聞いてたんですが,どこがどうなったか見抜けませんでした…。ぬー。ざんねん…。(―  ―)

2015.6.11つけたし。
さらにそういえば,お医者さんの衣装はあれで良いのかしら…。ワイシャツをインしなくて良いのかしら…。なんかすごくだらっと見えたのだけど,そういえばお医者さんて白衣の下は何着てるのかしら…。(もんもん)