Sunday, September 20, 2015

第30回中信地区高等学校演劇合同発表会~ゆめ舞台2015~ 長野県松本深志高校演劇部『雲の』

(中信地区高校演劇合同発表会パンフレットより)

@まつもと市民芸術館主ホール

作:長野県松本深志高校演劇部の生徒さん
出演:長野県松本深志高校演劇部

このタイトルを演劇連盟のwebサイトで初めて見た時は,「階段」というワードがぱっと私のアタマに浮かびました。
『雲の階段』。元々は小説だけど,2013年4~6月のクールに日テレで連続ドラマ化されました。私の好きな長谷川博己が主演だったり,木村文乃ちゃんがヒロインだったり,あとCobaが楽曲を手掛けていたのもあって,久々にハマって観ていた作品。島の診療所の事務員として働いていた三郎が,所長の一声でメスを握るようになって,無資格のまま大病院に医師として赴き,院長にのし上がっていく話。
今回の深志が,この作品と重なりました。

いろいろ書きたいことはあります。


今回パンフレットの深志のページを読んでから本番まで,非常につらい気持ちになっていました。いや今でもつらいです。できれば棄権してほしいと思っていましたが,深志の皆さんが世の中に発表された以上,観客としてキャッチして,思ったところを書かせていただきたいと思います。


一番疑問に思うことは,「そこまでして地区大会に出たかったのはなぜだろう」ということです。
同じ学校が毎年大会に出てくれたら,それは観客としても嬉しいことです。(去年あの役やってた人だ!)とか(今年は気合い入ってるな)なんていう楽しみ方もできるので。高校演劇は2年続けて観て面白くなってくるパフォーマンスだなぁと中学生の時から思ってました。
でも,今回この作品を選んで出場しなければならなかった理由が,作品を観てもよくわかりませんでした。
もし出場が難しいのであれば,作品を変えるか出場しないかという選択肢もあったと思います。どの選択肢を選び取っても,今できる最大限のことをやることが,そのチームにとってベストのはずです。何も生産せず結果0なのと,0を生産することは全く違う。0を生産することほど虚しくて何にもならないことはないなと,思います。0を生産し続けたのが,『雲の階段』で言うところの三郎なのだと思います。

本当は,私は深志の演劇部OGの友人とこの作品を観るはずでした。友人の都合がつかずそれは叶いませんでしたが,それでよかったと思いました。私は深志の出身ではありませんが,母校でこんなことがあったら,非常に悲しいです。

もしこのお芝居を中学生が観ていて,このお芝居に心を動かされて,来年入部して事実を知ったら,その子はどう思うのかなとか考えてます。私だったら騙されたなって思います。

キツイ表現をしますが,観客を騙してまで発表したかった深志の気持ちが,どうしてもわからないのです。

こういった経緯に至った理由はいろいろあるかもしれませんが,私は理由を聞きに芸術館に行ったのではありません。純粋に芝居を観に行ったんです。パンフレットと見せてくれるお芝居,それが全てのはずです。

私にとって松本深志高校は,知的な権威です。よりにもよってその深志がと思うと,非常に残念でなりません。もちろんこんなことどこにもしてほしくないですが,でもよりにもよってって感じです。


大人はなんでこれにGOサイン出したかなとか,部員の皆さんはどう思ってるのかなとか,気になることはたくさんありますが,このへんにしておきます。

このブログで何度か書いていますが,私は中学生の時に顧問が著作権を無視して,演劇部作として既成脚本を上演しようとしていたことに耐えられず退部したニンゲンなので,過剰に反応していると自分でも思います。

直接評価されるのは大人ではなく,あのお芝居を演じた生徒さん達であり,あのお芝居を書いたことになっている生徒さんなので,彼・彼女の不利益にはなりたくないなと思いつつ,でも書かずにもいられませんでした。

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カサハラリカ

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