Tuesday, March 29, 2016

東京都立桜町高校演劇部 桜演祭1・2年演目『宙へ』

(東京都立桜町高校演劇部Twitterより)

@日本工学院専門学校 蒲田キャンパス6号館

作:知念環といのさん
出演:東京都立桜町高校演劇部

昨年度の南関東大会で『死刑囚のπ』を観て,なんてすごい学校なんだー!と衝撃を受け早1年。このひとたちのお芝居をもっと観たいと思って,昨年は六本木まで『酒呑の女』を観に出かけたり,200人しか入れない地区大会に出かけて『新竹取物語』を涙しながら観劇したのでした。
東京の高校のお芝居はそんなに観たことないですが,東京らしいというか,2010年代に観るお芝居としてはちょっと一歩踏み込んでるというか。「そこ避けても生きていけるよね,どっちかって言うとみんな避けたいところだよね」ってところにあえて突っ込んでいるようなお芝居を桜町は作っていて,このひとたちの覚悟に私は魅了されているのかもしれません。

とにかく『死刑囚のπ』で主力だった(と思われる)3年生の皆さんの卒業公演!すごい!これは観に行かなくては!と思い,出かけてきました。私は千穐楽が好きなので(いやみんな好きか),ソワレで。

桜演祭の前半は1・2年生による演目。2年生の方の創作なのかな…?イマイチわからず…。

開演前の挨拶がカタいな~と思って聞いていたんですが,わざととわかった瞬間は(やられた!)って思いました。ここが自由にできるのも,自主公演の良いところですね。

キャストさんの話をすると…。昨年『新竹取物語』の社長さんを見て,(あの人まじすっごいわー。桜町の幅が広がるわー。)と思っていたのですが,今回はまさかの主役♡主役♡♡♡(大事なことは2回。)
いやまじで,びっくりするくらい美しいから!星の精って言われても納得しちゃうから!笑
ほんと,モデルさんか何かのお仕事されてますかってくらい,びっくり美しい1年生さんが主役だったので,もうすんごいすんごいすんごい,目の保養になりました。はぁぁぁ…。(ため息)
ということで終始カノンちゃんにくぎ付けでした。
やっぱり美しいって正義で,目がいっちゃうんですよね。うっとり。でもそれだけなら別に,ホントにモデルさんで十分だと思うんですけど,ちゃんとお芝居もできる方なので総合的に強かったです…。
カノンが身の周りのものに興味を示して学習していくところとか,初めて金平糖を食べたときのピコーンという感じとか,文字が書けたときの嬉しさ,誰にも触れられないように気を張ってるところ…なんかがちゃんと見えて,新鮮なんですよね。特に新鮮さって稽古を重ねていくとキャストさんご自身が慣れてしまうから薄れてしまいがちだと思うんですが,カノンちゃんからそういう空気感がちゃんと伝わって来たのでびっくりしました。人生のときめきを一緒に味わえた感じです。

カノンちゃんがぐいぐい物語を回すひとだったので,宙くんのへなちょこ男子っぷりが映えてて素敵でした。(ほめてる)
ていうかあれですね。今回は男性キャストのみなさんが全体的に穏やかだったり空振りしまくってたり…という感じでしたね。女のひとって怖いなァなんてこともうっすら感じました。笑

あと,『竹取』で小松さんだった方や明菜ちゃんだった方は見てぱっとわかったのですが,芳野さん役だった方は途中で気づきました。いやびっくり。芳野さん,本当に主婦感があったので(ほめてる),髪型とメイクでこんなにも人は変わるのかということを再認しました。
天野さん的には先生のことが大好きだし,尊敬してるし,多分ちょっと男性としても好きで(だから結婚もできないというかしない),私が支えなきゃ感があると思うんですが,そう思えばそう思うほど宇くんには嫌われるんでしょうね…。笑 あるあるというか,構図としてはわかる気がして,微笑ましかったです。老年期の天野さんはビジュアルにとっても質感があって,でもカーディガンは当時のものを使いまわしていて,なんだか素敵でした。

宇くんの単語を出したのでそのまま宇くんのことを言うと,かわいかったなー。キャストさん,色素が薄い方で,瞳の色がキレイで見入っちゃいました。(へんたいではありません。念のため。)
高校演劇で小学生男児をやれるひとって,サイズもそうだけど体型もやっぱりあって,特に棒っぽい脚が男児らしさの鍵だなということを先週の長野県長野東高校の公演でも感じたので,誰にでもできるものじゃないと思うとこのキャストさんの武器だなーと思います。

そう!先週ちょっと似たような舞台を観て,そこで出てきた星球がものすごーくきれいだったので,桜町のイルミネーション感たっぷりの星はちょっと残念だったかもしれない…。ピカピカチカチカ一定の間合いで光るので,そこと登場人物の心のスピードが合っていなかったかなと。ものすごい凝っているわけではないのに魅せる舞台美術を創れるカンパニーさんだと思うので,今後期待です。あ。でもホリゾントっぽく使っていた布に当てている光が素敵だったな!オーロラ色っぽいやつ。あれはカノンちゃんが出てくるところで使われているのかな?

作品のことですが,私も高2の時は地学を履修していたくせに天体のことは詳しくなくて,カノープスとか爆発とかよくわからず,そもそもなぜカノンちゃんは星から落っこちてきたんだとか途中で思ってしまったり,「罪を犯した」ってせりふは聞こえてくるけど実感がわかないなとか思ったところもありましたが,この世界を楽しめたので良かったかなと思います。

でもってなんとなくですが,『新竹取物語』と似ている要素があるように感じたんですよね。作っているひとたちがその時のメンバーなのでそう感じたかもしれないんですが,なんだろう。2人だけの世界というか。守りたかった世界というか。それを守ろうと必死で,でも壊されちゃう儚さ…みたいなものなのかな。うまく言えないけど。『新竹取物語』だったら明菜ちゃんとかぐや,今回だったら宙とカノンとか,宇と光とか。それは時の流れからするとある意味当然なのだけど,そこを維持したいと思う純粋さとかすがりたい気持ちが切なくて,胸がチューンと痛みました。
(何気にかぐやが出てきてびっくり。こういうことできるのも自主公演のいいところ。笑)

歌っちゃうし踊っちゃうし小道具細かいし(おじいちゃんの本の装丁が良い),星の精の衣装が細かいし(裾の形がみんな違う),丁寧に作られているお芝居だったので近くで観られて本当に良かったですー。地区大会の会場と思うと元長野県民からするとホントびっくりなんですが,自主公演にはぴったりの場所ですね。

『死刑囚のπ』をやられた2年生さんがこれでほぼ引退とのことで,時の流れを目の当たりにしてつらいです。笑 でも!皆さんの引退公演を拝見できて満足です!また来年日程が合えば卒業公演にお邪魔したいです!
ただの感想の羅列になってしまってすみません…!1,2年生の皆さん,お疲れ様でした。パワフルな舞台をありがとうございました。

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